EPILOGUE
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黒い布。
飾られた蜘蛛の巣。
転がるカボチャ。
時折漂う甘い香り。
学院はハロウィンイベントの準備が進んでいた。
智も放課後になるとあんずと校内を走り回っていた。
「えっと、これは明日届くから……」
「わぁっ!」
「きゃあ!」
後ろからの声に驚いて振り向くとひなたがいた。
「もう~」
智はむくれてスタスタと歩く。
ひなたも笑顔で並んで歩く。
やがて智がぽつりと聞いた。
「いつから、気づいてたの?」
「何が?」
「いろいろ」
「ん~」
ひなたは顎に手をそえた。
「割と最初から。あんずさんの行動でなんとなく、かな?」
「ふうん」
「まあ、ゆうたくんは勿論だけど、智もわかりやすいからねぇ。……あ、鬼龍先輩」
智は顔を赤くして、ひなたと同じ方向を見た。
しかし、そこには誰もいなかった。
智はひなたを睨む。
ひなたはニヤニヤしていた。
1ーB教室。
「ひなたくんにまで知られた」
智は机に額をつけた。
向かいには気の毒そうな顔をしたゆうたと桃李。
「智、もう本人に言っちゃえば?」
ゆうたが言った。
『…ええ!?』
智と桃李が声をあげる。
「無理無理ー!」
「絶体駄目ー!」
(首の振り方、そっくり)
ゆうたは笑いそうになるのを必死に耐えた。
「でもさ、これ以上周りに知られるより良いんじゃない?」
「………」
智は暫し考える。
<※2年生、特に嵐を中心にこの話が大いに盛上がっていることを知らない>
智は立ち上がる。
「伝えてくる!」
勢いに任せるように智は教室を出て行った。
数分後。
バァン!
「誰だ!智に変なことを吹き込んだのは!」
1ーA教室に敬人の声が響いた。
『……ああ!!』
ゆうたと桃李は同時に叫んだ。
「智の教室」
「A組だった」
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