基本的には主人公の名前のみを変換します。
秘密の話 «財前»
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「先輩、話いいすか。」
「いいよ!」
俺は、馴れない敬語で必死に先輩を呼び止める。
鈴先輩は小さな身体を、俺に向けて笑顔で答えてくれた。
「最近……手首の、調子が悪いみたいで。」
左の手首を捻って調子悪そうにしてみるけど、こんなん、口実や。
「手首、痛いん?」
「痛い、とかちゃうねんけど…」
バツが悪そうにそっぽ向く俺にクスクスと笑う鈴先輩。
「光くん、嘘ついたやろ?手首の調子悪ないやん。」
「……バレました?」
「だって光くん、調子悪い時いつも、ちゃんとどこが悪いか言うてくれるもん。」
得意そうにふふんとドヤ顔してみせる。
「ほんで、話ってなんなん?急ぎかなあ?」
「何や財前。鈴に話あるんか?」
「おー、白石ー!自主練終わったん?お疲れ様!」
ひょこっと壁の影から部長が話に加わってきた。
俺の話聞くとかそっちのけで、2人はまるで、お互いの事分かってるみたいにタオルとかドリンクとか渡しあっている。
悔しい、そんなんちゃう。悔しいとかそんな気持ちちゃう。
部長は俺の憧れや。鈴先輩も俺の憧れや。
2人が仲良くしてて嬉しいはずやのに、憎い。
部長が羨ましい…!
「光くん?どうしたん?」
「あ、いや、何も」
「ここじゃ話し辛そうやから、部室行こっか!」
「え…」
ただ鈴先輩を引き留めて、自分を見て欲しかっただけの口実。こんな、無意味な事してるのに、しっかりと俺と向き合ってくれる姿勢がたまらなく嬉しかった。
ずるくてごめん、鈴先輩。
「なあ、話しやったら俺も聞かなアカンのちゃうか?部長やし。」
部室へと足を進めた時、部長の言葉と被る。
俺の気持ち全部見透かして、鈴は渡さへんでって篭った部長の瞳と交差した。
「白石は練習あるし、皆のこと見やなあかんやろ!ここはマネージャーである私の仕事やし!取らんといて!」
冗談めきながらも、きちんと拒絶を表した先輩に部長は踏み込んでこられない様だった。
========================
「はい!話聞いたろ!」
簡素な椅子に向かい合って座る。
これは、真剣に聞く体制やな。
「俺…」
「なになに?」
「俺、鈴先輩みてたら、自分のものにしたくてしゃーないんす。」
「へっ?」
「なんなんすか、その間抜けな返事は。」
誰かのもんになるんやったら、その前に俺が手に入れるだけや。その相手が、たとえ、憧れの部長であっても。
「俺は、先輩をひとりじめしたい。」
「光くん…」
なんて返そうか悩んでる先輩に、今まで誰にも言うてないこと言うたろ。
「先輩のこと、好きで好きで、たまらんすわ。」
滅多にしやん、微笑みも添えとくな。
「いいよ!」
俺は、馴れない敬語で必死に先輩を呼び止める。
鈴先輩は小さな身体を、俺に向けて笑顔で答えてくれた。
「最近……手首の、調子が悪いみたいで。」
左の手首を捻って調子悪そうにしてみるけど、こんなん、口実や。
「手首、痛いん?」
「痛い、とかちゃうねんけど…」
バツが悪そうにそっぽ向く俺にクスクスと笑う鈴先輩。
「光くん、嘘ついたやろ?手首の調子悪ないやん。」
「……バレました?」
「だって光くん、調子悪い時いつも、ちゃんとどこが悪いか言うてくれるもん。」
得意そうにふふんとドヤ顔してみせる。
「ほんで、話ってなんなん?急ぎかなあ?」
「何や財前。鈴に話あるんか?」
「おー、白石ー!自主練終わったん?お疲れ様!」
ひょこっと壁の影から部長が話に加わってきた。
俺の話聞くとかそっちのけで、2人はまるで、お互いの事分かってるみたいにタオルとかドリンクとか渡しあっている。
悔しい、そんなんちゃう。悔しいとかそんな気持ちちゃう。
部長は俺の憧れや。鈴先輩も俺の憧れや。
2人が仲良くしてて嬉しいはずやのに、憎い。
部長が羨ましい…!
「光くん?どうしたん?」
「あ、いや、何も」
「ここじゃ話し辛そうやから、部室行こっか!」
「え…」
ただ鈴先輩を引き留めて、自分を見て欲しかっただけの口実。こんな、無意味な事してるのに、しっかりと俺と向き合ってくれる姿勢がたまらなく嬉しかった。
ずるくてごめん、鈴先輩。
「なあ、話しやったら俺も聞かなアカンのちゃうか?部長やし。」
部室へと足を進めた時、部長の言葉と被る。
俺の気持ち全部見透かして、鈴は渡さへんでって篭った部長の瞳と交差した。
「白石は練習あるし、皆のこと見やなあかんやろ!ここはマネージャーである私の仕事やし!取らんといて!」
冗談めきながらも、きちんと拒絶を表した先輩に部長は踏み込んでこられない様だった。
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「はい!話聞いたろ!」
簡素な椅子に向かい合って座る。
これは、真剣に聞く体制やな。
「俺…」
「なになに?」
「俺、鈴先輩みてたら、自分のものにしたくてしゃーないんす。」
「へっ?」
「なんなんすか、その間抜けな返事は。」
誰かのもんになるんやったら、その前に俺が手に入れるだけや。その相手が、たとえ、憧れの部長であっても。
「俺は、先輩をひとりじめしたい。」
「光くん…」
なんて返そうか悩んでる先輩に、今まで誰にも言うてないこと言うたろ。
「先輩のこと、好きで好きで、たまらんすわ。」
滅多にしやん、微笑みも添えとくな。
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