出会い編
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この島に上陸したのは1週間前。
初めに少女に会ったのはその時だ。
『お頭!着いたぜ!』
『ほぅ、ここが
それは新世界に位置する島。
海賊をやっている野郎なら知らない奴はいないほど有名な島だ。
『ログはどのくらいで貯まる?』
『…そうだなぁ。1週間と言ったところか』
1週間か。
ここまで長い航海だったから野郎たちも疲れているだろう。
休憩には丁度いいかもしれない。
有名な島なだけあって広いようだし、ゆっくり出来るだろう。
そう考えた赤髪海賊団の船長であるシャンクスはここでのしばらくの滞在を決めた。
『ふわぁ〜』
『お頭、寝不足か?』
『…どうせまた遅くまで酒でも飲んでいたんだろう』
副船長、
痛いところつきやがる。
昨晩はどうも寝付けなくて、倉庫にあった酒を片っ端から飲んだのだ。
図星をつかれたシャンクスは
『よくわかったなぁ!』
と笑ってごまかした。
あまり飲みすぎるなと言いたかったベックマンだが、当の本人は悪気なんてなさそうだ。
ベックマンは小さなため息をついた。
と、
次の瞬間
『…海賊』
声が聞こえたのだ。
しかし姿は見えない。
どうやらシャンクスは気づいていないらしい。
『ん?お頭!今声がしなかったか?』
『おいおい、ルウ。ここは木しかないんだぞ』
『…いや、俺も聞こえた』
ベックマンはあたりに気を集中させ見回した。
ベックマンの声にシャンクスも切り替えるように押し黙り、、
そして見つけた
『ほーぅ、まさか少女だとは思わなかったな』
見つけたのはシャンクスだ。
彼が目に捉えた少女は7歳くらいだろうか。
あの少年と同じくらいの年のようだ。
深くフードを被っているので、顔はよく見えない。
『そんな所で何をしてる?』
『…海賊がくる予感がした。それだけよ。ここは海賊がくる所じゃない。帰って!』
表情はよく分からないが、口調と態度からして怒っている事は確かだ。
『と言われてもなぁ!帰るっつったって俺ら海賊だからなぁ。』
シャンクスが警戒心剥き出しの少女を説得しようとした時、
『レイラ!危ないから降りてきなさい』
『おじさん!…でも』
"おじさん"と呼ばれた人物はハラハラした様子でこちらへ向かって走ってくる
『降りなさい!落ちたらどうすんだ!』
『平気よ!さっきこの木に…』
『お前の能力はまだ未熟なんだ!使いこなせもしないのに気軽に…『何よ!おじさんだってこの力のことよく知らないくせに!!』
少女が身を乗り出し叫んだ瞬間、
『ぅわっ!!!』
『レイラ!!!』
『…っ、
』
『…大人の小言は耳を傾けるためにあるものだ。少女。』
間一髪で少女を受け止め、そっと下ろしたのはシャンクス。
『…っ、ごめんなさい』
『はっはっは!素直な子どもはよく育つ。いい育て方をしてもらってるようだ』
シャンクスの行動と言動に心許した少女が呼ぶ"おじさん"はゆっくりとこちらへ足を進めて
『…これはうちの娘がすまなかった』
『娘?』
『えぇ…まぁ、色々事情がありまして。』
『その事情とやらにこの少女が持つ力と何か関係がありそうだな。』
『えぇ、まぁなくもねェんですが…』
まるで誰が海賊なんぞに教えるものかというような口ぶりだ。
先ほど、心許したと思ったのは勘違いだったか。
『別に教えてくれなんて言ってないだろう。言いたくないのであれば言わなければいい』
と、シャンクスは言うものの
…目は気になって仕方がないという目をしている。
そんなシャンクスの目を見て"おじさん"も少し怖気付いた
シャンクスの目を呆れて見ていたベックマンが
『お頭、』
『おっと、すまない。』
『…変な海賊』
相変わらず、顔は見えないが呆れていることは確かだ。
しかし、最初のような警戒心はないようで安心だな。
あんな風に威嚇されれば話し合えることも話し合えなくなる。
落ちそうになったところを助けたのが良かったらしい。