失恋
白昼の元気は嘘のように
じわじわ濃くなる夕焼け色が
笑顔の仮面を剥がしていく
残光が頬を照らせば
隠していた寂しさが
見透かされてしまいそうで恐い
二人で居ることを覚えてしまった
この体が、この心が
彼からの受信を待ち続けている
歯車が狂い始めたのは
いつ頃からだったのだろう
私を呼ぶ 愛しい声が
頭を撫でる 大きな手が
苛立つはずの 我が儘が
私を置いて
どんどん遠くへ行ってしまう
もう、あんなに。
(独りにしないで)
声にならない思いは
ゆらゆら、宙を漂うだけ
あの日、
彼は何を思い
あの時、
私は何を無くしたのだろう
陽が落ちて 闇が総てを包んだら
強がりの糸がプツリと切れた
はらはら 零れる 大粒の涙
ねぇ、会いたい
会いたいよ
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