手紙
薄紅の花びらが
今年も儚く散っていきます
吹き止まぬ風の中
空に溶け消えていきます
君は今も
忙しく生きているのでしょうか
春の吹雪に立ち止まることもないくらい
二人の恋がどんなに脆く不確かだったか
あの頃の私には
気付くことさえできませんでした
(桜並木の下、蘇る思い)
体中を駆け巡る切なさこそが
Mailより写真より確かな
君と居た「証」のように思えます
あの日、頬を伝って落ちた
雫の中の「行かないで」
本当はずっと 不安でした
嫉妬したり 泣いたりしました
臆病でした 弱虫でした
けれど、手を離したのは
君を愛するゆえでした
(君が選んだその場所に、優しい風は吹いていますか?)
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