六花
真っ白に染まった大地は
(この思いのように)
どこまでも続いていた
また届くことのない
ただ貴方の街にも
同じ景色が広がっていますようにと
せめて、
せめて。
ふたつ並んだ足跡は
しあわせの象徴だ
貴方が残した足跡の
すぐとなりを歩いたら
何かが変わっただろうか
もうすぐ太陽が顔を出す
白銀の世界でしか描けない夢が
ポタリ、ポタリと溶けていく
朝の訪れは
こんなにも哀しい
何度も胸を掴まれ
何度も融合したこと
忘れたことはなかった
だけど、
もう少し
もう少しだったのに。
雪になりたい
氷の結晶となって
貴方のもとへ
(その大きな、掌をかざして)
その温度で溶けてしまいたい
.