1-0 バラティエ
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東の海の名所を結ぶ定期船はいつにもまして賑わっていた。海上レストラン「バラティエ」に着くと大半が降りていく。そんな下船中も客のあいだでは今夜バラティエで開催されるショーの話題で持ちきりだ。ただひとり、少女だけは黙々と最後尾を歩いていた。彼女の背格好と顔立ちは十七、八の青年そのもの。外見の印象が性別を誤解させるうえ、口元に浮かべている笑みもどこか胡散くさい。
まさにこの人物がミョウジ・ナマエ──「百花のマジシャン」と呼ばれる、噂のショーのメインゲストである。