チェンジ!
「ルーティ。……ルーティ!」
フォックスに何度か呼びかけられ、やっとルーティは正面を向いた。直前まで、ぼうっと空を見つめていたからだ。
やっぱり気になるんだな、とフォックスは心の中で苦笑する。今咎めたとしても、ツンとした口調で返されるだけだろう。
「あ……、ごめん」
ルーティも呼びかけられたのは目の前にある昼食のハンバーグが冷めるからだと勘違いして、急いで手に付ける。
フォックスはのんびりと昼食を口にしながら、その様子を見守っていた。
食器を台所まで運びながら、ルーティは思った。――フォックスとウルフは、違う。
ウルフはいつも扱き使うような態度で、七味を持ってこいだとか水を持ってこいだとか要求するけど、フォックスはそうじゃなくて、自分でやってくれる。
きっとそれが普通なんだけど、何となく寂しいって思ったのは気のせいなのかな……