チェンジ!
「よしっ、ご飯食べよ!」
「そ、そうだな」
ルーティが唐突に腕を引いて歩き出すものだから、フォックスは外まで見送ってやる暇もなく、食堂まで連れられてしまい。
「僕、ハンバーグ!」
「はい。分かりました」
食堂に着くと、ルーティは真っ先に手を挙げては元気に注文。その姿にくすくすと笑い、ゼルダはエプロンをしつつ応える。
「フォックスは?」
「えっ」
一方のフォックスは見惚れていた。
何せ、大好きなルーティのパートナーになれたのだ。運が良ければ、ずっと。
――運が良ければ? 果たしてそうだろうか。フォックスはちらりとルーティを見遣って、それからゼルダを見つめ口を開く。
「じゃあ、俺もそれで」
ラディスはそうだった。密かに思い悩む時、人差し指で己の下唇に触れる癖。
ルーティはどうだろう。料理を楽しみにしながらも、人差し指で下唇に触れるその様子は、何となくラディスに似ていた。