チェンジ!
「聞いてよフォックス!」
ルーティは駆け寄ってきたフォックスに気付くと、直ぐ様ウルフを指差して。
「ウルフが――」
「人が黙ってりゃいい気になりやがって」
ウルフはぎろりとルーティを睨むと、
「こいつは俺様の大事なウルフェンに傷を付けやがったんだ。しかもウィングに」
航空機にとってウィングは人間でいう足のようなもの。これが少しでも傷付いてしまうと、バランスが取れなくなってしまう。
それを今回、ルーティが誤ってウルフェンのウィングに、大きな傷を付けてしまったのだ。これにはさすがのウルフも、
「今度という今度は――殺す」
と、こうである。
これがまた冗談に聞こえないのだから危なくて、後からやって来たドンキーも割って入るように「まあまあ」と宥めて。