チェンジ!



あんな言い方、しちゃったから。

まだ怒ってるかな。今から謝っても許してくれないかな。不安ばかりが募り、ごめんねの一言が喉に詰まり、言えない。

結局何も言えずじまいで、ウルフはぱっと手を離さすと一人歩いていってしまい。

――やっぱり駄目かも。

「おい」

落ち込んで俯き、溜め息を吐き出したその時、再びウルフは立ち止まってルーティを振り返っていた。……そして。

「明日も早いんだろ。寝坊してえのか」


えっ?


何気無く放たれたその台詞に、ルーティは硬直してしまった。明日も早いって……それは多分、任務のことで……つまり。

「あっ」

あれこれ考えていては置いていかれてしまう。慌てて先行くウルフの後を追い、隣に並んで歩きながら、ルーティはぽつりと。

「……ありがと」

ごめんなさい、が先だったかな。

わざと聞こえないふりをするウルフを横目に、ルーティはふふっと笑みを溢した。



ちなみに。


「わっ、どうしたんだその顔」

タイミングを見計らってファルコの元へ向かったフォックス、ベッドに寝転ぶファルコの頬が腫れていることに驚いて。

「見りゃ分かんだろ」

ファルコは溜め息。

どうやらウルフと上手くいかず、少し殴り合いになってしまったらしい。

「やれやれ……」

するとフォックス、何を思ったのかファルコの上に跨がってはにっこりと。

「舐めて治し」
「チェンジしてやろうか」


……上手くいくとは限らないものです。



end.
 
 
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