誰の弟?
「X部隊メンバーの誰かの弟ってことはだよ? 少しは能力を受け継いでいて、実はすっごく強いってのだったら……!」
「やけにネガティブだな今日のお前」
青ざめた顔でおろおろするルイージを横目に、マリオは溜め息を吐き出して。
扉の前までやって来たマリオはドアノブに手を伸ばすも、ちょうど扉は小さく軋む音鳴らしながらゆっくりと開いた。
「早くぅー! 置いてくよー……、あ」
現れたのはピチカである。
「お帰りっ、マリオ! ルイージ!」
「おう、ただいま」
にっこりといつもの愛らしい笑顔で迎えるピチカだったが、不意に二人の後ろにぽつんと立っている少年に気付き。
「あっ」
瞬きを数回繰り返し、指差して。
「引きこもり……」
ぽつり、と何の悪気もなく呟いた。