誰の弟?
「って……、この、配管工の分際で……」
「なぁにが配か――知ってんのか?」
打たれた箇所を両手で押さえながらぶつくさと呟く少年に、マリオは再びハリセンを振り上げるも、静止。
少年は打たれた箇所を摩りながら顔を上げると、初めにマリオを指差して。
「だってお前、マリオだろ?」
マリオは目を丸くして。
自慢ではないが、自分は誰もが知っている超有名人。……とはいえそれはキノコ王国に限った話で、ここがレイアーゼとなると悲しいことに知らない連中も多い。
だから初対面であるこの少年に、ぱっと名前を言い当てられ驚いていたのだ。
「んでお前がその弟のルイージ」
「よく知ってるね」
次いでルイージを指差し、少年が告げると、ルイージは嬉しそうに笑って。
「ま、まああれだ」
自分を知っていてくれたことが嬉しかったらしいマリオ。無意識の内ににやけてしまいながら、腕を組んでは胸を張って。
「何てったってX部隊!……だからな!」