誰の弟?
すると少年、腕を組んだ姿勢のまま。
「ご苦労。褒めて遣わす」
「はっ、有り難きお言葉……って、ちっがぁーう!」
見事なノリツッコミ。
マリオは再びハリセンを懐から取り出しては少年目掛け振り翳すも、ルイージが後ろから羽交い締めにしつつ止めて。
「兄さん!」
「離せえっ! こいつ腹立つ!」
今日は虫の居所が悪いマリオ。とうとうルイージは力負けし、マリオを解放して。
「このっ」
「じゃあ何て言やぁいいわけ?」
振り下ろしたハリセンが少年の頭に触れる直前で、少年は口を開いた。ぴたり、とマリオは静止して腕を下ろす。
「そりゃあ……まあ」
マリオはふいと顔を背けて。
「助けてくれてありがとうー、とか。勝手に入ってごめんなさいー、とか……」
「きめえww」
「うっせえ! てか語尾にwとか付けるな!」
結局、マリオは全体的に苛立ちを感じて、少年の頭をハリセンで勢いよく叩き。