誰の弟?
「イーシス!」
エックス邸から勢いよく飛び出し、イーシスと呼んだ少年に抱き着いたのは。
「ぎゃ、きめえ! あっち行け阿呆!」
「相変わらずのサドっぷり御馳走様だぞ、イーシス……」
なんと、あのリオンである。
再会から嬉しさのあまり頬擦りをするリオンだったが、イーシスはそのような行為を歓迎しないのか、直ぐ様突き放し。
己の両頬に手を添え、うっとりと目を細めつつ腰をくねらせるリオンに、マリオは。
「なあ、この餓……鬼」
「うわ今訂正すんのやめたよこの髭」
「餓鬼。……リオンの弟、なのか?」
するとリオン、瞬時にイーシスの隣へ移動すると、一度咳払いをして。
「どうやらバレてしまったらしいな……」
「あの対応はバレるだろjk」
既に呆れ顔のイーシスを無視して、リオンはイーシスの肩の上にぽんと手を置き。
「そう! 彼はイーシス・ヴィオレスタ! 私の唯一無二の弟なのであるっ!」