恋愛弱者が通ります
……味が分からない。
「そういえば」
某バランス栄養食の方がまだ腹を満たしてくれるなと口に出せば引っ叩かれそうなことをぼんやり思いながらミカゲが食事を進めていれば。
「何処までいったんだっけ」
「んぶふっ」
咽せた。
「み、水」
「有料だぞ」
これだからフレンチレストランは!
「仕事の話か?」
「お前たちの話だよ」
パックマンは頬杖を付きながら。
「一夜限りの仲って訳じゃないんだろ?」
ティーピーオー!
って誰かさんならすかさず叫んだことだろうが生憎自分にはそれ程の度胸がない。というより何故隊長は彼に注意を促さないので御座るか!?
「直近の話ならこの間の連勤最終日に」
オアァアーッ!?
「いっ……」
テーブルの下で足を踏み付けて発言を阻止。何するんだとばかりに此方を向いたジョーカーに四肢の内一本でも失いたくなければそれ以上の発言はよせとばかりの全力無言圧。
「へー仲良くやってんじゃん」
これがパワハラですか。
「そうだ」
座り直したパックマンはフォークを片手に笑み。
「この後行きたいところあるんだけど」
……嫌な予感。