ルーティ危機一髪!?
しん、と室内が静まり返った。
はてさて肝心のパックマンはというと──これまたばつが悪そうな顔をして頬杖を付きながら目を逸らしてしまっている。一先ず窮地は脱したのだろうとルーティは胸を撫で下ろしながら机の上の資料と思しき紙を手に取った。うーんよく見ても見なくてもさっぱり頭に入ってこない。
「ロック」
次にそう呼んだのはマークだった。
「再開しても構わないかい?」
「……ああ」
少しでも狼狽えたら負けだと心の中で自分に言い聞かせながら頷いて応える。
「ん」
……?
正体不明の違和感が喉につっかえている。
その一方でマーク達はというとそんなことはつゆ知らずといったところで意見を出し合い真面目に会議に取り組んでいて。話を振られないのは助かるがそれでも何だかこれは大事な見落としをしているようなそうでないような──いや。こういう時の勘はよく当たると相場が決まって──
パックマン。
「……どうしたんだい」
気付けば、室内はまた静まり返っていた。
「何か気付いたのかい」
湛えた笑みは他所行きのもの。
「ね」
突き刺さる視線の正体は。
「……ロックマン?」