ルーティ危機一髪!?
……!?
「へ」
思わぬ発言に素っ頓狂な声を上げそうになってルーティは慌てて自分の口を押さえた。パックマンは目を細めてにやにやと憎たらしい笑みを浮かべながら追い討ちを試みる。
「本物の隊長だったら答えられるはずだろ?」
フォーエス部隊の中にはリオンのように心の中を透視できる目を持つ隊員はいないはず。姿形を似せている訳でもなければ化けているという訳でもない──中身が入れ替わっているのだから見た目だけで判断出来るはずもないのにどうしてこうも短時間で強気に出られるんだ……!?
「……ロック?」
マークが首を傾げた。全員が全員確信を持って疑っている訳ではないのだ。ルーティは必死に口を結びながら頭をフル回転させる。
そうそう。パックマンの事なんだが。
「……!」
屋敷を出る前にロックマンがこっそり耳打ちしたその内容を思い出す。
昨夜、些細なことで少し揉めてしまってな。
もしまだ不貞腐れていたら──
「……パックマン」
先程までの様子と一転していつもの口調とその表情で名前を呼ぶのだからパックマンも思わず目を見張った。
「昨夜の事を根に持っているのか?」
「い……今それ関係ないだろ」
明らかに狼狽えている。
「この埋め合わせは必ずする」
こんな時。
「だから今はそんな意地悪をしないでくれ」
ロックマンならこう言うはず。
「な?……パックマン」