ルーティ危機一髪!?



……?

「どうしたのかしら」
「疲れてるんだよ」

隣で怪訝そうにデイジーが呟けば資料と思しき紙から目を離さないままハルがぽつりと返す。

おかしな話でもない。第四正義部隊フォーエス部隊の隊長を務めるロックマンといえば寝る間も惜しいどころか息つく暇すら無駄だとばかりに一分一秒隙間なく仕事を詰め込み専念する男だ。確かにそんな彼の働きかけのお陰で繁忙期であれ何であれ各隊員の負担が大幅に軽減されているといっても過言ではないが本音としてはしっかり休んでほしい──とまあこれは一部の隊員の心の声。


第四正義部隊フォーエス部隊は正義の集団。

仇なす悪は塵すらも残さない。悪の芽は若い内から摘み取る情け容赦とは無縁の組織。そんな彼らである。少しの違和感でも見せたとあらば──


「隊長」


ルーティが席に着いた直後だった。

「こないだの案件覚えてる?」

パックマンは頬杖を付きながら見つめている。

「進展あったんだけど」

その隣に座っていたミカゲが何やら言おうとしたがジョーカーがそれを制した。刺さる視線にルーティは早くも嫌な予感というものを察する。

「ししっ」

まずい。

「パックマン知ってるよ」

冷や汗が流れる。

「お前──隊長じゃないだろ」
 
 
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