ルーティ危機一髪!?
なっ……な……っ、
長かったぁぁ……!
残念なことにこれでも一時間経っていないのである。どうして興味すら持てない楽しみのない苦痛というものはこんなにも時間の経過が遅く感じられるのだろう……ようやく会議を終えたルーティはまるで船酔いでもしたかの如くふらふらと覚束ない足取りで通路を歩いていた。
休む時間すら与えられないまま次は問題の定例会議である。そもそもの話、全員が素直に集合してくれているのか否か疑問なものだ。隊員の中には扱い難い人たちも居たはず。元亜空軍の誰かさんとか誰かさんとか誰かさんとかエトセトラ。
「……ここかな」
ぽつりと言って辿り着いた先の扉を見つめる。厭に静かで物音一つ聞こえないのは口を噤んで待っているからなのか集まりが悪いのか。ルーティは深呼吸すると意を決したように扉を押し開いた。
「あ、ロック」
扉を開けてすぐ気付いて声を掛けてきたのは起立して資料と思しき紙を片手に進行役を務めていたらしいマークである。
「今回の案件、少し説明が難しかったから五分前から始めてたんだけど問題ないかい?」
僕にも説明が欲しかったです!
「あ、ぁあ……うん」
ただ単に返事をしただけなのにそれすらも引っ掛かるものがあったのだろう小首を傾げるマークにルーティはぎこちない笑みを浮かべる。
「……大丈夫かい?」
「体調が悪いのですか?」
マークに続けてカンナが心配そうに。
「隊長、今何連勤なの?」
「聞く相手を間違ってるだろ」
「ははは……」
ボロが出そうで怖い。
「き、気にしないでくれ……ください……」