ルーティ危機一髪!?



敵対している組織の頭が……こそこそと。

「なに話してんだ?」
「あれは長生きしませんね」

といった具合に口々に話していれば。

「り、リーダー?」

話が終わったのか両腕を脱力したように垂れながらふらりと立ち上がったスピカにダークウルフが不安そうに視線を注いでいると。

「こいつ」

スピカは青ざめた顔で指差しながら。

「……ガチだ」


えっ?


「ええぇええええっ!?」

と、大袈裟に声を上げたのはダークウルフだけ。

「ほらな! ほらな!?」
「一体何を言われたんですか」

それ見たことかとばかりに騒ぐダークフォックスの横でダークファルコがジト目で腕を組んだが、触れたくないのかスピカは咳払い。

「と……とにかくこいつはルーで間違いない」
「信じてくれてよかった……」
「当たり前だろ。あんなこと知ってるのは──」
「あんなこと、とは?」
「いいいっ今はいいんだよそんなの!」

すかさず、ダークファルコが笑顔で口を挟んだが躱されてしまった。何を言われたのやら。

「とにかく作戦は中止だ」
「作戦って?」
「こっちにも色々あんだよ」

ああもうなんでこんなことになってんだか……スピカは気怠そうにがしがしと頭の後ろを掻くとどうしたものかとばかりに周囲に目を配った。ここが司令塔の裏口とはいえ人目に付かないとも限らないしさっさとこいつの体使ってる正義厨のいるX部隊の拠点に移動した方が──

「ッ、リーダー!」
 
 
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