ルーティ危機一髪!?
……何が起こったのか分からない。
急に停電したかと思えばただの暗闇よりも暗く深い黒に呑み込まれて気付いたらここに居た。かといって縛り付けられたり口を塞がれているというわけでもない。妙な行動を起こせば一切耳を傾けないまま容赦ない攻撃が飛んできそうな面子だがそれより何より今の気持ちは。
「ありがとう!」
キラキラと目を輝かせながら。ルーティが前のめりになって大きな声で言うと予想を反する反応にダークファルコは笑顔のまま石化、基硬直した。
「えぇ……?」
これにはダークフォックスもこの顔である。
「頭でも打ったんスかぁ?」
「あっ……これはその、違くて」
ルーティはわたわたと手を振りながら。
「僕、やっぱり頭回らないしあのままあの場所にいたら殺されていたかもしれないから……」
「なになに。仲間割れでもしてんの?」
「話に付き合わないでください」
硬直が解けたのか冷めた視線を遣りながら呆れたようにダークファルコが言うと肩を竦めたダークフォックスは「へいへい」と気怠そうに返して、レッグホルスターから銃を取り出す。
「そーゆーことなんで」
「わああっ待って待って!」
ルーティは慌てて両手を突き出しながら。
「僕は殺されてもいいけど──いやっ本当はよくないけど、この体はよくないというかっ」
「コイツさっきからおかしくねえ?」
銃を構えたダークフォックスが顔を顰めれば。
「何してやがる」
その声にルーティはハッとしてダークファルコとダークフォックスの後ろから現れた影を体を傾けながら覗き込む。
「フォックスが渋ってるんです」
「いやちげぇし!」
「さっさと仕留めりゃいいだろうが」
「くだらないことで騒ぐなよ」
彼が居るのなら必然的に。
「いやいや、リーダーあのさぁ──」
「スピカっ!」