ルーティ危機一髪!?
その時である。
「、!」
会議室内の照明が落ちたのだ。
「計画停電でしょうか」
「聞いてないけど」
人が大事な話をしている時にどうしてこうもタイミング悪く停電なんて起こるんだ。なんてそんなものは端から理由など知れているわけで。
「お」
照明がついた。
「何だったんだろう」
「……あ!」
ソラが声を上げて立ち上がった。
「隊長が居なくなってる!」
それ見たことか。
「痕跡は?」
「どうやって逃げたのかしら」
ざわつく中でパックマンは盛大に舌打ち。
「会議中止ッ!」
苛立った様子で叫ぶ。
「あの偽物を取っ捕まえろッ!」
レイアーゼ中央司令塔──裏口。
「思ったより上手くいきましたね」
「最初からこうすれば良かったんじゃねえ?」
普段と異なる口調で口々に言うのはフォックスとファルコ──ではない。此方を振り返るのと同時にたちまち爪先から頭の先まで漆黒に染め上がり紅色の双眸を開けば纏った影を解いて本物以上の偽物と豪語するその姿形を現した。
「……さて」
ダークファルコは小さく笑みを零して。
「早速お尋ねしたいのですが」
膝に手をつきながら。
「今、どんな気持ちですか?」
視点を合わせて覗き込む。
「……隊長さん」