兄さんなんか!
……ん?
「ガタガタガタガタガタガタガタガタ」
最後悲鳴を上げたのは黒い影の方である。ルフレもルイージもぱっと顔を見合わせて通路の端で此方に気付かずに縮こまって擬音を繰り返し呟いて震えている黒い影に注目。正体を確かめるべくゆっくり近付いてみればそれは何だか何処かで見たことのあるような白い衣装を纏っていて。
「……あの」
「ひぎゃー!?」
「うるさいっ!」
あまりにもデジャヴ。
「な、なん、」
黒い影はようやく振り返ったが。
「、……は」
「え?」
ちょっと待って。
「人間……?」
なんで。どうして。
破壊神クレイジーハンドがここに──!?
「何だよ紛らわしいことしやがって」
靴音が響く。
「はーびっくりして損した」
「なんで付いてくるのよ」
「僕の勝手だろ」
配管工と軍師と破壊神。
愉快なパーティの出来上がりである。
「そ、そもそもどうしてあんな所に」
「はぁあ?」
「どうせ兄の方と喧嘩したんでしょ」
「いやマスターとクレイジーに限ってそんな」
沈黙。
「ちっちちちちげーし! 勝手に決め付けるなよなバカ女ッ!」
「置いていくわよ」
「お前バカこの僕を置いていくな許可してねーぞ!」
分かりやすいことこの上ない。