兄さんなんか!
エックス邸。
「兄さんのばかー!」
そんな台詞を吐いて吹き飛ばす勢いで扉を開いて部屋を飛び出したのはルイージである。なんだどうしたと廊下を歩いていたメンバーが立ち止まり怪訝そうな視線を送る中遅れて部屋から出てきたマリオが溜め息を吐き出す。
「珍しいじゃない」
そんな中声を掛けてきたのはピーチである。
「喧嘩なんて」
「そういうのじゃなくてだな」
マリオは困ったように頬を指で掻いた。
「兄ちゃんは大変やなあ」
分かるぞといったようにドンキーが肩を叩く。
「弟だって大変なんだぞ」
ディディーが口を挟む。
「よぉゆうわ」
「それはそうとキサマ追いかけんでよいのか」
ドンキーとディディーが火花を散らせて睨み合い不幸にも対峙するその二人に挟まれ肩身の狭い思いをする中クッパが疑問を投げかければマリオはやれやれといった具合に溜め息を吐き出して。
「行かなくていいだろ」
「なっ」
「あいつだって##RUBY#戦士#ファイター##だからな」
「何かあってからでは遅いのだぞ!」
部屋に戻ろうとすれば押しのひと声。
「……あのな」
マリオは背中を向けたまま。
「あいつが何処に行ったか知ってるか?」
そういえば肝心のそれが不明瞭である。
「何処なのよ」
「……お化け屋敷」
えっ。
「だから」
マリオは振り返ると語気を強めて繰り返す。
「お、ば、け、や、し、き!」
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