不屈の心は伊達じゃない!



やれやれ。手間取ってしまった。

自分が居座ると他が怯えるとの事で半ば突き返されるようにして帰還。ロックマンは正面玄関から屋敷に入った矢先にとある人物を見つけて立ち止まる。比較的高身長であの印象的な三つ編みは間違いなく災厄の目の持ち主の。

「こんにちは」

向かう方向が同じという単純明快な理由で声を掛けてみた。その人は足を止めないまま視線だけを寄越して笑顔を返す男を見下す。

「また来たのか」
「共に手を取り合い戦っていく仲間として交流を深めるのは大事なことだからね」

ユウはふんと鼻を鳴らす。

「我々としては、もう少しご助力頂ければ未来も明るく華やかなものになると約束するのだが」


無視。


「……?」

目的の食堂の前まで辿り着いたはいいが何やら騒がしい。賑やかなのは別段良いことだが叫び声が聞こえる気がする。……いや。

「うわああぁあっ!?」


──気のせいじゃない。


食堂の扉に冷たく視線を刺すユウを横目に見てロックマンはそっと取っ手を掴んだ。躊躇している暇もないものと見て押し開いてみれば。

「なんでこっちに来るんだ!」
「兄さんが同じ方向に逃げるからでしょう!」

駆けてきたのは双子軍師。

「、ロック!」
「隊長!?」

気付いて立ち止まる二人だったがそのすぐ後ろから追ってくる存在に現実に引き戻されて咄嗟の判断でロックマンの後ろに隠れる。ようやく追いついたその人は怪しく息を弾ませ両手をわきわきと動かしながら。

「ふっふっふ……もう逃げられないぞ……」
「……何をしているんだ」

ロックマンの後ろから出てきたユウが腕を組んだ姿勢で呆れたように投げかける。

「無論、とある疑問を解消する為だよ」

リオンは拳を握る。

「髪の色とアレの色は同じものか否か!」
「ボルガノンッ!」
 
 
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