スキだらけですが、何か?
案外そこまで怒られなかったのは呆れを通り越しているからでしょうか。死にたいです。
「頼んだよミカゲ」
「はい」
現在の見た目に反してネガティブオーラ全開。
「ありがとう」
ん?
「資料の四項目を見てくれ」
待って待って何も聞いてなかった。
「ぁ……え……な、何か仰いましたかね……」
ぎこちなく隣のカズーイを振り返ったが何故か首をぶんぶんと横に振られた。その向こうに座っているバンジョーと目が合ったかと思うと気のせいか普段より冷めた目付きを向けられたような気もするし反対側のリドリーには頼りたくない。
そうして縮こまっている間に。
「では。会議を終了する」
終わっちゃった!
「ミカゲ」
椅子を引く音話す声──各々が席を立って会議室を後にする中でそろそろと立ち上がったミカゲにロックマンが声を掛けた。
「例のファイルだ」
今更何も聞いてませんでしたとは言えない。
「……何処に持っていくんでしたっけ」
「隣町だよ」
びくりと肩を跳ねて振り返る。本当にいつの間に着替えたのだろう口を挟んだのは普段の怪盗服ではない私服姿に眼鏡をかけたジョーカーだった。
「此方は顔が知れているからな」
相変わらず話が読めない。
「君たちのその姿なら問題ないだろう」
「……はぇ」
ロックマンはにっこりと笑顔。
「夕方までに頼むよ」