スキだらけですが、何か?
レイアーゼ中央司令塔三階、会議室。
「揃ったか?」
午前八時──鳩時計が鳴くと同時に会話は止んでロックマンはその隙に呼び掛けた。
「ミカゲとパックマンがまだ」
ハルが答える。
「……寝坊かしら」
「昨日は二人共遅かったからね」
ルフレとマークがこそこそ。
と。扉を叩く音がして。注目を受けながら扉を開いて現れたのはパックマンである。
「お待たせ」
「何か言うことは?」
「寝坊してすみませんでしたー」
悪びれる様子もないのはいつものこと。
「早く席に着きなさい」
「はーい」
パックマンは一歩踏み出そうとして振り返る。
「早くしろよ。皆待ってるんだから」
……誰か居るらしい。
「いや、そのやっぱり拙者腹痛が」
「どー見ても健康体だろ」
ミカゲの声。
「何をしているんだ」
ロックマンも呆れている。
「あっ、ちょ」
恐らくは逃げようとしたのだろうパックマンが通路に引き返した。直後「うぎゃん!」と情けない声を上げて黒い影が通路を横切る。トランポリンを逃げる方向に仕掛けて跳ね飛ばしたといったところか──開け放たれた扉の隙間から窺えるやり取りは一見してシュールである。
「パックマンまで怒られちゃうだろ!」
いい加減にしろよと半分切れながら襟首を掴んで会議室の中に放り出される黒い影。どうやら観念した様子でそれはゆっくりと立ち上がる。
「す、すみませ……」