春といえば?



「特定の人物が揃っている任務に」
「加わりたくないで御座る」

後に続いたのはミカゲだった。

「難しい相談だな」

ロックマンは用紙を手に目を細める。──秘密結社SPの取締役も担っている彼には負担が過ぎるだろうが本職が忍者である彼が裏方で目を光らせているか否かで任務の難易度や成功率が大きく変わってくる。彼に考えがあるなら汲み取りたいが簡単に聞き入れるのは惜しい。

「例えば?」
「シュルクとマークとか」


………………。


「理由を聞こう」

ロックマンが某アニメの司令官よろしくといった例のポーズをとって目元に影を落とすとミカゲは両手の人差し指の先を合わせながら。

「百合の間に挟まるのは、ちょっと……」


百合。


「それはどういう比喩表現なんだ?」

ロックマンは眉を寄せる。

「本来百合とは少女同士が互いに好意を寄せて惹かれ合う様を呼ぶので御座るが……ほら。二人は雄々しさに欠けるというか何というか」

ミカゲは人差し指を立てながら説明。

「ちなみにデイジーからのお墨付きで御座る!」


面談とは何だったかな。


「他には」
「無いで御座る!」

笑顔で結構。引っ叩いてやりたい。
 
 
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