春といえば?
あまりに多すぎやしないか。
「何その顔」
顰めっ面。
「ああいや」
開口一番の指摘にロックマンは眉間に寄った皺を親指と人差し指を使って伸ばすと小さく息を吐き出して次の面談の相手であるパックマンと改めて向き合う。
「最近変わりはないか?」
「そうだなぁ」
パイプ椅子に腰掛けたパックマンは両手を内腿に挟みながら足をぶらぶら。
「なんでオレと隊長の共同任務少ないの?」
「偶々だろう」
「せっかく付き合ってんのに」
「デートじゃないんだぞ」
こいつもか。
「もっと隊長と一緒に居たいのに」
「そういう話は後にしなさい」
ロックマンが小さく息を吐き出すとパックマンはぱっと顔を上げて。
「後で時間作ってくれるってこと?」
「面談が終わったらの話だ」
ふぅん。パックマンは目を逸らしながら。
「何時くらい?」
「夕方頃だろうな」
「駅前にハンバーグレストラン出来たけど」
「ちょうどいい時間だな」
それ以降分かりやすく口を結んで次の言葉を待つパックマンにロックマンは思わず笑みをこぼす。
「一緒に行こうか」
「……うん」