春といえば?
「……X部隊との共同の任務があればなるべく回してほしい?」
死角から殴られた気分だ。
「うん」
こくりと頷いたのはハルだった。
「本当は個人にしか興味がないけど。そこまでは甘えられないから」
年齢の割にはしっかりしているがもっと砕けた言い方をすれば、好意を寄せる相手があちらの部隊に居るがその相手と組ませてくれとまでは言えないからとりあえず任務を回してくれと。数撃てば当たると見ているのかきっかけになれば万々歳と前向きに捉えているのか知らないが兎角彼なりの考えがあるようなので深く言及はしない。
「……分かった」
これはまだマシな要望。
「スティーブとの共同任務を減らしてほしいの」
どうやって?
「君たちは一つの体を共有しているのでは」
「ええ。その通りよ」
「筒抜けじゃないのか」
アレックスはハッとして口元を手で覆う。
「……筆談でも?」
そういう問題でもない。
「精神を分離する術は無いんだろう」
「イレブン達みたいに何とかならないかしら」
「会いたいのか?」
「難しい問題があるのよ」
んんん。
「ホムラとヒカリに聞いてみたらどうだ」
「彼女たちのことをすっかり忘れていたわ!」
アレックスは嬉しそうに手と手を合わせながら、
「ありがとう!」
ロックマンはにっこりと笑顔。
「どういたしまして」