仲良くなぁれ!
次の日。
「げ」
エックス邸、食堂。何の気なしにダークシャドウを連れて訪れたスピカが直後に立ち止まり至極嫌そうな顔で声を洩らしたのも無理もない。敵対するフォーエス部隊もまたロックマンを筆頭にこの場所を訪れていたのである。
「にぃにっ!」
気付いたピチカが飛び切りの笑顔で駆け寄る。
「お仕事終わったの?」
「ま、まあ」
「お疲れさまっ!」
愛する妹にこうも甘えられたところで少し視線をずらせば敵対組織の連中が視界に飛び込んでくるわけで。これ以上ない不快感をまさか妹一人愛想振り撒いたところで簡単に拭える筈もなく。
「おやおや連日お会いできるとは」
進み出たのはダークファルコである。
「これも何かの縁ですねえ」
「は? 冗談だろ」
それをパックマンは冷たく睨み付けて返す。
「あーあ。不吉なもの見たから三歩下がらないと」
「黒猫とは可愛らしいものを当て嵌めますね」
「僕の国では魔女の使い魔だと恐れられていたよ」
マークが冷めた口調で見遣る。
「強ち間違いとも言えないんじゃないかな」
「私は黒猫好きだけど」
「物の例えだよっ」
呟くルフレをすかさず肘で小突く。
「お前の部隊は相変わらず礼儀がなってねーな」
スピカは腕を組んで鼻を鳴らす。
「……それでは。ルーティ」
ロックマンは無視して笑いかける。
「また後日お邪魔させていただくとしよう」
スピカは舌打ち。
一瞥もくれずに横切ろうとする彼を、
「……挨拶くらいッ」