ルフレちゃんは分かりたい



一閃。瞬き。双子は瞬時に目の色を変える。

「ここだああぁあああッ!」

勇ましい声と同時に放たれる一振りは呆気なく薄青の防壁が防いだ。けれど追い討ちをかけるように放たれた雷が防壁を襲えばマスターは鋭く見つめ直して防壁を著しく膨張させて弾く。剣による攻撃を仕掛けた男は空に弾き出されながらも後転して体勢を整えながら、雷を放ったその人の隣に着地。

「大丈夫かい」
「うん!」


背中合わせに構えるのは。


「に……兄さん!?……シュルク、まで……」

窮地(?)に駆けつけたのはなんとマークとシュルクの二人だった。驚愕するルフレを一瞥したマークは目を伏せて小さく溜め息。一旦構えを解くと早足で歩み寄り──そして。

「いたっ」

ルフレの頭を叩いた。……魔導書で。

「なにをするのよ!」
「思い詰めた顔をして出ていくからだろ!」

シュルクも小さく息をついて構えを解いて呆気に取られるロイやリンクに頭を下げながら合流。

「に……兄さんには関係ないじゃない!」
「あるよ! これだけ人を巻き込んでおいて!」
「すみません……」
「いえいえ」

言い争いをする双子軍師の傍らでぺこぺことするシュルクはさながら保護者のよう。

「っ……じゃあ聞いてあげるわよ!」

ルフレは観念したように声を上げる。

「兄さんは受けなの! それとも攻めなの! どっちなの!?」
 
 
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