合宿の時間!
彼らが真面目という話は至極事実である。
「はっ!」
ストレッチを終えれば素振りの時間。筋肉量や扱っている剣の重量から本来ならズレが生じるはずなのだがフォーエス部隊の三人は目で見る分にはそのズレというものが窺えないくらいに息が揃っている。そのタイミングを教え込まれていたのだとして果たして意味はあるのだろうかと問い質したいところだが確かに戦いの中で息を揃えるべき場面は存外多々あるもの。
「すげぇ……」
「余所見をするなッ!」
実戦──に近い練習試合。
「はああっ!」
繰り出される剣の一撃一撃が重い──!
相手が英雄王と慕う相手であれこれである。クロムの激しい剣戟に対するマルスは気圧されていた。アイクよりも確かに軽いが受け流し方を誤れば砕かれ兼ねない。その上、此方が得意とする間合いを知って積極的に踏み込んでくる。防戦一方が続くが相手が剣で戦うことに拘って仕掛けてきている以上蹴り払うという選択肢は封印してその期待に応えなくては。
「……成る程」
マルスの切り返しにマークはぽつりと零した。
「今のは」
「……そうだね」
隣に並んだカムイは小さく頷く。
「、……」
普段より静かだ。
何となくそう思った。
「……どうかしましたか?」
気付いたリンクがロイに訊ねる。
「いや、……」