合宿の時間!
……それにしても。
「フォーエス部隊って真面目だよな」
ランニングを終えればストレッチ。ロイは開脚姿勢で地面に座りマルスに背中を押してもらいながら少し離れた所で声を掛け合ってストレッチする彼らを目にぽつりと呟く。
「隊長が隊長だからね」
第四正義部隊フォーエス部隊を率いる例の彼を思えば当然なのかもしれない。正義の為に剣を取れ研ぎ澄ませ片時も隙を許すなと教えられたのならどんな簡単な行いにも自然と身が入る。それが決していけないことではなく寧ろ良い事ではあるが反してX部隊は各々が自由に振る舞う集団なので申し訳ないながらも彼らの醸し出す空気というものが肌に合わない。
「あだだだだっ!」
物凄い音がしたような。
「骨折した?」
「するところでしたよ!」
リンクは声を上げる。背中を押している相手がアイクだからというのもあるだろうがなかなか体がお世辞にも柔らかくない様子。
「体幹は良いのにな」
「そういう貴方はいやに柔らかいですね」
嫌味のように。
「普段からストレッチ励んでるんですか」
「アイク。もっと倒していいぞ」
「いだっいだだだっ!」
セクハラである。
「どういう意味だい?」
「なんでお前が分からないんだよ」
「えっ?」
「なんでもねーよ!」