合宿の時間!
受付を済ませたらまずは部屋へ。そこまで多くないとはいえ荷物を置かないことには当然手が空かないので始まらない。
「お」
扉を開くと広々とした和室が迎えた。九人で一部屋ということらしい。まあ元々宿泊や観光が目的ではないのだから多少窮屈に感じたのだとしても流石に文句までは。兎角入室して各々荷物を置いたり軽く部屋を探索してみたり。
「ベレト殿。普段は?」
「戦術の指南を」
「げえっ勉強するのかよ」
ロイは苦い顔をする。
「俺も頭を使うのは苦手だ」
「そんなに難しいことじゃないよ」
あまり乗り気ではないアイクにカムイは笑う。
「俺は体を動かす方が向いているな」
「クロムは物を壊すじゃないか」
得手不得手にはばらつきがあるようだ。
「ベレト殿。指南をお願いしても?」
「引き受けよう」
メタナイトの提案を快く引き受けるベレトにロイは分かりやすく苦虫を噛み潰したような顔をしたが声までは上げなかった。メタナイトだって意地悪で言っているのではなく移動での疲労もあるだろうから少し体を休ませるついでだと思ってお願いしたのだ。それに、まさか後輩の前であれも嫌これも嫌と駄々は捏ねられない。
「横一列に座ってくれ。武器は各々の足元に」
指南を受けるべく一同は指示通りに居並ぶ。
「まず。戦術の基本とは──」