合宿の時間!
自分たちは戦士である以上に──剣士だ。
剣を取るからには先陣切って前線に立つという宿命を背負っている。例え、笑っても泣いても明日には命を絶つかもしれない灯火だ。
水に濡れて。……或いは風に吹かれて。
ふっと途絶えるかもしれない。
それが。
「ベレト殿は」
メタナイトはふと口を開く。
「強さとは何だと思う」
ベレトは──黙っていた。
「剣士であるが故の心構えも大事だろう。だがそれ以上に彼らが鎧を取り払い、剣を仕舞えば日常を笑って過ごすだけの少年少女であるという点を忘れてはいけない」
優しい声で紡ぐ。
「もっと多くの景色を見せてやるといい」
目を細める。
「守るものが多ければ多いほど。剣は滾り主人の力となる」
響く。
「貴殿がそうだったように」
突き刺さる。
「、……はい」
ベレトは影を差して拳を握り締めた。
滲む記憶を──脳裏に思い浮かべながら。
「よい返事だ」
メタナイトは笑いかける。
「戻ろうか」
自分たちはまた。剣を取るのだろう。
「混ざるつもりですか?」
「はは。その気になったのか?」
「興味はありました」
「素直なことだ」
喜怒哀楽に彩られる日々を。
幾年先も。──約束するために。
end.
16/16ページ