合宿の時間!
ぱら、とページを捲る音。
「あったよクロム」
「すまないな」
一足早く湯浴みを終えていたマークとクロムは稽古の中で感じた事や思った事を参考書を用いて調べて復習している様子。一方でカムイは人数分の敷き布団を敷き終わるとその上に腰を下ろしてひと息。次いで自身の愛剣を手繰り寄せ、今回の稽古で刃
と。扉が開いてX部隊の剣士組が戻ってきた。カムイだけはちらりと視線を遣ったが直ぐに戻して手入れを再開。マークとクロムはぶつぶつ小さく言葉を交わすばかりで気付かずに。
「マーク」
ふと名前を呼ばれてマークは振り返った。
──次の瞬間。
「ぶっ」
飛んできたのは……枕?
「君たち。頭を使い過ぎだよ」
「もっと気楽に合宿というものをだな──」
マルスの隣で意気がるロイの隙を突くようにして飛んできた枕が顔面ヒット。
「敵を討つにはまず味方から、でしょう?」
「油断大敵だ」
笑うリンクの傍らアイクは枕を両手に抱えて。
「仲間じゃねーのかよ!」
「四体三なんて先輩のすることですか?」
「これでも充分すぎるハンデだろう」
「さっき話してた内容と違」
台詞を遮るように飛んできた枕がロイの顔面に。
「あっ」
「どういうルールなんだ?」
投げたのはマーク。隣のクロムは乗り気で。
「ルールなんて特にないよ」
「す、すみません……反射的に」
「謝らなくたっていいじゃないか」
マルスは笑う。
「これがX部隊流の──無礼講だよ!」