合宿の時間!
そうして。長い稽古を終えて迎えた夕方。
「生き返るぅぅ……」
夕食を終えれば大浴場で極楽気分。ロイは浴槽の縁に掴まりながら一眼憚らず息を吐き出す。
「なかなか身が入りましたね」
「後輩の前だからね」
リンクとマルスが語らう傍らでロイはフォーエス部隊の四人のことを思い返していた。
「……あいつら」
ロイは何処となく不貞腐れたような顔で。
「楽しんでんのかなぁ」
彼らしい疑問だった。そりゃあもちろん稽古をするという名目で合同合宿を行っているのだし無論遊びに来たわけではないのだが。自分自身生温い空気に浸かり過ぎただろうかと思いつつも戦士という点を除いてしまえばきっとまだ遊びたい盛りの年頃で。それはもちろん自分だってそうだけど彼らの場合は何というか──
「わぷっ」
頭からお湯を被せてきたのはアイクだった。
「何すんだよっ!」
「俺たちは遊びに来たわけじゃない」
だが。アイクは文句を遮るように言葉を紡ぐ。
「遠慮をする性分でもない」
リンクもマルスも。口には出さないがその表情は柔らかくやり取りに聞き入っている。
「そうだろう?」
アイクが笑みを浮かべると。
ロイはふるふると頭を振って自身の頬を叩いて。
「……っし!」
水飛沫をあげて立ち上がる。
「いっちょあいつらに叩き込んでやるか!」