合宿の時間!




「はっ!」

息を切らして風を断つ。

「──はああッ!」

剣を振る音、砂利を踏む音──早朝から剣戟の一曲を奏でるのはエックス邸の中庭だった。

練習試合という名目で相見えているのはロイとリンク。激しい金属音が静かな中庭に繰り返し響き渡り双方譲らない。非番の際はふざける場面も多々ある彼らだがひと度剣を手にしたなら目の色を変えて戦場に降り立つ剣士となる。終わりの見えない剣戟に待機勢のマルスとアイクも目を見張っていたが「そこまで!」とメタナイトが声を張り上げることでその戦いは幕を閉じた。

「っは……っは……」

互いに肩で息をしながらゆっくり進み出て敬意を表するべく剣を交えて礼をする。

「見事だった」

メタナイトの賞賛の声にリンクは「ありがとうございます」と頬を緩める。一方でロイは隣にやって来たマルスに「お疲れ様」と声を掛けられるとそこでようやく緊張の糸が解けたのか額に滲んだ汗を拭って苦笑い。

「久々に真面目にやった気がする……」
「おや。今まで手を抜いていたんですか?」
「いやいやそうじゃなくて」
「──お前たちに一報がある」

四人は肩を揃えてメタナイトに注目。

「共同の任務ですか?」
「いいや違う。……実はフォーエス部隊の隊員であるベレトという男と掛け合う機会があってな」
「士官学校の教師をやっていた人だよね」

メタナイトは頷く。

「彼方にも剣を使う戦士がいるとのことで我々も含めて合同合宿を行う事となった」

……合同合宿?

「此処でやるのか」
「場所はレイアーゼの少し外れにある小さな町の宿泊施設を取ってある」
「手際が良いですね。いつ行くんですか?」
「今日だ」


無言。


「稽古はここまで」
「もっと早く言ってください」
「すまん」
 
 
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