これがホントのおもてなし!
しかし。恐れていた事態は訪れる。
ぴこんぴこん!
「んええ!」
ピチカは思わず椅子から飛び退く。
「す、座り方、変だった!?」
「なっなんだよ座り方にも何かあるのかよ」
「あります」
睨むディディーにコウはさらりと。
「左側からだよー!」
言われた通りにピチカは左から座ろうとするも。
ぴこんっ!
「叩きたいだけでしょ!」
「ちがうよー」
ツツイはへらへらと笑いながら。
「えっとー勝手に座ったらだめなんだよー」
「俺たちが椅子を引くので」
コウが人差し指を立てる。
「わ、分かったよ……」
ぴこんっ!
「叩きたいだけだろ!」
「だから違うって」
コウは溜め息。
「席に着くタイミングは膝が椅子に当たった時」
「ゆっくりとねー」
「テーブルとの間隔は握りこぶし二つ分」
「手はおひざの上だよー」
細かすぎる!
「ぼ、僕一生ご飯食べられないかも……」
「その時は食べさせてあげるねー!」
「そっそれも食事の時のマナーなのか?」
「んなわけないだろ」