これがホントのおもてなし!



しかし。恐れていた事態は訪れる。


ぴこんぴこん!


「んええ!」

ピチカは思わず椅子から飛び退く。

「す、座り方、変だった!?」
「なっなんだよ座り方にも何かあるのかよ」
「あります」

睨むディディーにコウはさらりと。

「左側からだよー!」

言われた通りにピチカは左から座ろうとするも。

ぴこんっ!

「叩きたいだけでしょ!」
「ちがうよー」

ツツイはへらへらと笑いながら。

「えっとー勝手に座ったらだめなんだよー」
「俺たちが椅子を引くので」

コウが人差し指を立てる。

「わ、分かったよ……」

ぴこんっ!

「叩きたいだけだろ!」
「だから違うって」

コウは溜め息。

「席に着くタイミングは膝が椅子に当たった時」
「ゆっくりとねー」
「テーブルとの間隔は握りこぶし二つ分」
「手はおひざの上だよー」

細かすぎる!

「ぼ、僕一生ご飯食べられないかも……」
「その時は食べさせてあげるねー!」
「そっそれも食事の時のマナーなのか?」
「んなわけないだろ」
 
 
9/16ページ
スキ