これがホントのおもてなし!
無理すぎる。
顔が良いだけじゃなくて仕事まで出来る人のそれは破壊力抜群なんですよ……というか執事やメイドに対して勝手なイメージを抱いてきたからいざ本物を見せつけられて恥ずかしくなってきた……
「えええ、えっと」
笑顔があまりにも眩しい。
「み、皆もこれで満足だよね? ねっ?」
札束で頬を叩かれたような感覚だ。高々入口対応かもしれないが流石にこれ以上は求められない。
「うん?」
「だ、だからご飯は僕たちも手伝って普通に」
「うん?」
「き……着替えてきて」
「うん?」
待って待って待って怖い怖い怖い!
「──執事とメイドの勤めとは」
ロックマンはゆっくりと立ち上がると。
「敬愛する主人に忠義の全てを尽くすこと」
手を軽くはたいて。
「だがそれは敬愛するだけに値する主人であればこそ」
胸ポケットからモノクルを取り出す。
「屋敷を担う主人であるならば。常に強く気高く美しく、恥じない振る舞いでなくては」
徐ろに装着しながら。
「……主人がより良くあるために導くのも我々の勤めならばこの機会を逃す手もないだろう?」
にっこりと。
「どうか席を外されぬように」
先程とは意味合いの違う重みがある。
「……ご主人様?」
はめられたあああ!?