これがホントのおもてなし!
要所要所で苦戦の声や音がする中で。
「やぁっと座れたわ……」
ドンキーは溜め息を吐き出す。
「躾をする側も楽じゃないんだがなァ」
「よおゆうわ。面白がっとったやろ」
専属に付いたのはキングクルールだった。ピコピコハンマーというだけあってもちろん痛くはないのだがそれだけに容赦なく遠慮なく叩かれるある意味のデメリットもある。
「失礼します」
「うぅ、」
ベレスに叩かれたのはリムである。
「ナフキンを付けるタイミングは食事が運ばれる寸前を目安とされています」
「は、……はい……」
頬を染めて縮こまっている辺り、恥ずかしかったらしい。その隣に腰掛けたのはユウ。
「うわっ」
ドンキーは小さく声を上げる。
「大御所やん」
「そういうのじゃないって」
苦笑いを浮かべるユウの専属のソラ。
「こらビシッと決めたらなあかんなぁ」
「腕を捲るな」
「いだっ! 叩くことやないやろ!」
ぎゃいぎゃい。
「……どうかしましたか?」
何かを気にしている様子のユウ。
「ロックマン」
同席のリンクは釣られてそちらに視線を遣る。
「あの男。先程から何か記しているようだが」
「……本当ですね」
「キョロキョロしたら駄目だよ」
ソラがピコピコハンマーを構える。
「……マークしておく必要がありそうだな」
「そちらはよろしいのですか?」
座り直しながら。
「鞭でお願いします」
「そういうお店じゃないで御座るうう!」
未だに座っていないのはリオンだけ。
「今の主人は私ではないからな」
「薄情ですね」
物は言いようである。