苦手なもの
「ちっくしょおおお!」
エックス邸にロイの叫び声が響き渡ったのは、まだ昼前の出来事だった。
場所はバトルルーム。その名の通り、戦闘を行う為の設備が整っている。
戦闘といっても、実際に怪我はしない。安全で実用的。まさに戦士様様である。
「五月蝿いわ」
気怠そうに前髪を掻き上げながら、サムスはそう呟いた。同じく戦闘に参加していたゲムヲも、持参した画用紙に『静かに』とでかでかと書いていて。
惜しくも二位という結果に終わってしまったロイは、華々しく一位を飾ったウルフを睨み付けた。
「リフレクターは反則だ!」
無茶苦茶である。
自分もカウンターがあるだろう、と突っ込るところだが、勝利者の余裕だろうか。ウルフは黙ったまま、何も言わない。
「大体、あそこでトサキントなんか出てなきゃ、俺は勝ってたんだよ!」
……ちなみに。ロイの敗因だが、攻撃を仕掛けてきたところでカウンターを成功させ、ウルフに反撃したまではよかったのだ。
そこからが不運だった。
追撃しようと駆け出したその先に、センサー爆弾が仕掛けられていたのである。
案の定、罠にかかるロイ。その後は切り返してきたウルフに、逆に追撃を食らわせられ、敢え無くゲームセットというわけだ。
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