報連相は大切に
「兄さん」
ルフレが口を開いた。
「私、怒ってないのよ」
何処か寂しそうに。
「ただ……そういう大事なことはする前に話してほしかったというだけで」
何を言っているんだこの妹は!
「マークさん」
今度はルキナが真剣な表情で見据えながら。
「私は……あなたを信じています」
信じられても!
「血は争えないよね」
「私もその現場に居合わせたかったです」
カムイとカンナは口々に。
「オレだったら普通に言いふらすけどなー」
「死ぬほど聞かされたで御座るよ……」
ええ。パックマンってそんな込み入った話を周りに言いふらしているのか。それは例えばノーマルな人間にとって荷が重すぎやしないか。というか怒られないのか?
「マーク」
……そうか。
昨日のシュルクはそれを聞かれていたんだな。
それで。
ひと足先に皆に事情を──
「し、……知っているなら僕が話す必要は」
「兄さんっ!」
ルフレは思わず立ち上がった。
「私は兄さんの口から聞きたいのよ!」
「そんな妹に育てた覚えはないよ!?」