報連相は大切に



珍しいな。こうして会議の後に残される人なんて相場が決まっているものなのに。仕事を上げるペースも申し分なく寧ろ頼られている側の彼が呼び止められるなんて。

「……何かあったのかしら」

会議室を後にした後でルフレがぽつりと言った。

「大したことじゃないと思うけど」
「うーん」

ルフレは顎に手を添えながら。

「でも……確かに、この間の早朝の任務を珍しく遅刻してきたのよね」


早朝の任務。


「……兄さん?」

思わぬ心当たりに熱がぶり返してしまう。

「顔が赤いけど」
「うわっ!」

あればかりは僕のせいでもある。

「な、何でもないよ!」

そうは言えど簡単に熱が引くはずもなく。

「そう……?」


ああ。

後でシュルクに謝っておこう……


そんなこんなで。二日後の昼のことだった。

「危なかった……」

へとへとになりながら司令塔に駆け込んできたのはマークである。朝の内に終わらせる予定だった任務が単純なミスでつい長引いてしまってこの時間。今日は会議があるというのにこの分だと僕が一番最後になりそうな予感。

気持ち早歩きになりながら会議室へ急ぐ。程なく辿り着くと一度呼吸と身嗜みを整えて。マークは深呼吸してから扉を押し開いた。
 
 
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