恋泥棒の巣窟!



ピチカはびくりと肩を揺らした。

「貴女は女の子だけど立派な戦士だわ!」

ルルトは肩を掴みながら。

「正義が泣けば悪が嗤うのは必然事項よ。##RUBY#喫驚#きっきょう##だなんてこの先幾らでも訪れるもの」

力強い声で。

「この程度のことで挫けてはいけない」

真っ直ぐな眼差しで。

「だから。泣くのは止めなさい」

すっかり涙が引っ込んだ様子のピチカ。ルルトは優しく頭を撫でながら肩を竦めて。

「今に貴女だって立派なピカチュウになるわ」

笑いかける。

「強くなりなさい」


かっ、


「かっこいい……」

代弁するかの如くリュカが呟いた。

「うんっ」
「いい子ね」

一連のやり取りを見ていた四人は惚けていた。

フォーエス部隊の新人枠である反面、ポケモン女子プロレス界の女王とも謳われている彼女はファンが多い。傍目に見ていれば声が大きいだけではないかと思っていたが、力強く真っ直ぐな精神に惹かれた者が後を絶たないのだろう。

それを。垣間見せられた気がする。

「……あら」

ベヨネッタは紙袋の中身をちらりと見て。

「私の髪飾りじゃない」
「えっ?」

ディディーは紙袋の中に手を突っ込むと髪飾りを取り出して差し出す。

「これのことか?」
「そうそう。……ありがとう、ボウヤ」
 
 
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