恋泥棒の巣窟!
「……ふむ」
ロックマンの横からパックマンが覗き込む。
「この手袋はジョーカーじゃない?」
「こっちは恐らくミカゲだな」
「……あ、これ無くしたと思ってたのに」
「気をつけなさい」
紙袋の中から次々と取り出しながら口々に。
「うちの隊員の忘れ物で間違いなさそうだ」
拳に力が入ってしまいながら見守っていたネスの頭の上にぽんと手を置いてにこやかに。
「ありがとう。助かったよ」
パックマンは壁に掛けられた時計を見る。
「そろそろじゃない?」
「そうだな」
何か予定があるのだろう。
「すまないが頼まれてもらえるかな」
きょとんと。
「何。難しいことじゃない。……此方の忘れ物をした隊員は次の任務が控えているからね。任務で使わないとも限らない物だから彼らに直接届けてほしいんだ」
ロックマンは数個選び取って紙袋の中に入れると持ち手をネスに握らせてその上から手を重ねる。
「我々も立て込んでいてね。……頼めるかい?」
「は、はいっ」
緊張に体を強張らせてしまうネスの頭の上にもう一度ぽんと優しく手を置いて笑み。
「いい子だ。頼んだよ」