恋泥棒の巣窟!
部隊を率いるリーダーといえば抜けている点があっても元気が取り柄だったり、或いは多少捻くれながらもメンバー全員から絶大な支持を受けていたりと様々あるものだが此方の場合は個性豊かな隊員に何一つとして文句を吐かせない実力を誇る仕事人が隊長を務めている。それがこの人。
「こ、こんちはっ」
「忘れ物を届けにきましたっ」
ロックマンの部屋まで案内したのはパックマンだった。カービィと似たような性格である彼も豪語するだけの実力を持つ人である。
「忘れ物?」
ロックマンは小首を傾げる。
「ね……ネスぅ」
「な、なんでだよ」
部隊間の繋がりは深いが個人としてはあまり接点のない相手だ。ピチカが紙袋を譲るとネスはおどおどしながら紙袋を手にして歩き出した。が──四人が見守る最中さもお約束とばかりに何もない場所で躓いてしまい。
「ぁ」
転ける──
「あぶな」
かと思えば。眺めていたパックマンがすかさず下から掬い上げるようにして支えてくれた。
「……緊張する相手じゃないよ」
パックマンは然程表情を変えずに。
「頑張って」
ネスはこくこくと頷いて応えるとロックマンの元へと駆け寄って紙袋を差し出す。
「ありがとう」
ロックマンは椅子を回して紙袋を受け取って。