恋泥棒の巣窟!
我らの恋泥棒たるこの少女は。
年頃という点もあり──惚れっぽい。
「隊長さんに渡せばいいよね?」
「片っ端から尋ねるか?」
「それは……時間が掛かると思う……」
そんなやり取りをしながらピチカとネスとリュカが歩くのを後ろからゆっくりとついていきながらディディーとトゥーンはこそこそ。
「いいか。休戦協定ってやつだからな」
「いっつも休んでんじゃん」
「馬鹿言うなっ。今回はケースが違うんだよ」
フォーエス部隊は顔面偏差値が高い。
依頼人の心を奪ってしまうこともあったそうで──確かに此方もメタナイト率いる剣士たちが似たような事を仕出かしているがそれはそれとしても我らが想い人の心まで奪われては困る。
故の付き添い。
ボディーガードってやつです。
「、わ」
兎角まずはフォーエス部隊の隊長たるロックマンに会おう──そう思って歩いていたところですぐ側の扉が開き子供たちは立ち止まる。
「あれ」
現れたのは。
「パックマン何も聞いてないんだけど」
扉を叩いて入室。
「お、お邪魔しまーす」
おずおずと。
「おや」
デスクの前に座って仕事をしていた眼鏡姿のその彼は手を止めて顔を上げると微笑する。
「こんにちは」